東ティモール視察レポート

不衛生な環境が原因で下痢や脱水症状を起こす子どもがあとを断たない東ティモール。この課題を解決するには、村人たちがトイレの重要性を認識することが必要です。自身の手でトイレをつくり、コミュニティ全体で屋外排泄をやめる。そんな決意と行動の輪が広がっていくよう、ユニセフ東ティモール事務所ではCLTSのプログラムを取り入れて、現地のNGOと協力して、トリガリングというワークショップを実施しています。今回の訪問では、ハトゥガオ集落での大規模なトリガリングを視察することができました。

視察チームが集落を訪れたとき、すでに100名を超える村人が広場の一角にある特設のテントに集まっていました。NGOのスタッフのリードで、トリガリングがスタートしました。指名された村人が、地面に集落の地図を描きはじめます。道路、河川、水源地などの大まかな位置は、色付きの石灰の粉で描いていきます。 家は、色紙を二つ折りにしたカードで表現。全員が手に色紙を持ち、自宅の位置に置いていきます。さらに、トイレのある家にも目印をつけます。ハトゥガオは80軒、124世帯が暮らす集落ですが、現在では、わずか29軒にしかトイレはありません。その他の家の人たちは、屋外排泄をしています。「いつも、どこにウンチをしていますか?場所を教えてください。」NGOスタッフが声をかけると、村人たちが排泄した場所にしるしをつけていきます。

「川の上流でウンチしてるの?その下でいつも洗濯しているのに。」「どうしてうひとの家の裏でウンチをするんだよ!」村人同士で不満の声があがります。さらにはスコップで、実際のうんちがテント内に運ばれてきました。うんちに止まったハエが、ペットボトルの口に止まる。そんな不衛生な状況を、1本の髪の毛をハエの足に見立て実演します。自分たちの屋外排泄が原因で、不衛生な状況をつくり、健康を蝕んでいる。 村人たちは、そのことを実感します。この一連のワークショップは再度、子どもたちだけを集めて実施されます。さらに、子供たちは、健康的な生活を送るために、「マラリア」「手洗い」「栄養」「禁煙・禁酒」の問題を啓発する歌や劇で表現してくれました。村人自身がトイレの重要性を知り、トイレづくりの決意表明を行うところまでがトリガリングの役割です。将来的に屋外排泄根絶宣言(ODF宣言)できる村になるための重要な第一歩。それには、ユニセフと問題意識を共有し、上手に村人たちに啓発していくファシリテーターであるNGOスタッフの育成も重要です。

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